謎の間取りを修正する Before/After

お客様から頂く書類に何も問題なければいいのですが、大体何かあるものです。

最近一番の衝撃は、この間取図

外から和室に入るのかな?

右下の和室4.5帖の扉は外からの入り口???

念のためストリートビューでも調べましたが、外に扉はなく。

玄関から続く階段もこれ、2倍くらいの幅になっちゃて。

和室6帖にはどうやって入るのだろうか?

混乱したのでお写真をいただきました。

すると

 

和室4.5帖、外扉なし。

和室6帖と和室4.5帖はつながっている。(引き戸)

右上フローリング、ここにキッチンあり。

そもそもの壁の位置も違った。

 

等々このままでは入管に提出できないのでお直ししました。

それがこちら

 

まったく違う間取図の完成

赤の矢印は写真撮影位置と写真に番号を振ったので照らし合わせる為に。

上の間取り図と全然違う間取が完成しました。

さらにここは倉庫兼事務所なので商品がたくさんあって全体像の把握が大変で。

写真で全体像が認識不能な部分を補う為に動画を撮ってもらって間取図を作成しました。

こうすることで、入管も現地に行かずして事務所内部を把握することができますし、そういった視点から書類を作成していくことが私達の役目だと思っています。

最近、就労ビザの申請では、事務所内部の様子やその他申請人の細かい業務内容を立証する事が必要となるケースが多く、神経をつかいます。

さらに謎の間取りとは。不動産屋さん、お願いしますよ・・・。

結論:書類はしっかり確認しよう。

これに尽きます。


難民申請中から結婚ビザ取得(Kさんのケース)

難民申請中から他のビザに変更したいという相談は結構あります。

しかし、こうした状況からの変更は入管の審査は通常の審査よりも厳しくなる傾向にあり、審査期間も半年かかることも少なくありません。

難民申請中の方のビザは「特定活動」というタイプのビザであり、ビザの期間は6月です。

その6月まるまる審査に充てられるのです。

東京入管では2階が通常のビザのフロア、3階が難民申請のフロアなので、審査の方々も2階の方は「3階の問題もあるし・・・」といい、3階の方は「2階の問題もあるし・・・」という。

お互いの領域を行ったり来たりする審査なので、気も時間も使います。

そんな中、先日申請から3週間で許可を得たケースが出ました。

難民申請中から日本人の配偶者等への変更申請。

 

今回行ったお仕事の一部

1、お二人から今までの経緯をヒアリング→用意していただく書類を伝える

よく、はじめに「必要書類はなんですか?」とお聞きになる方がいらっしゃるんですが、必ず必要になってくる書類とは別に、個別にご用意をお願いする書類があります。

個別にご用意いただく書類は話を聞いてみないと判断できないので、ヒアリングの前に書類を聞かれると困るんです・・・

また、必要書類を実際に見て、問題点を探したり、入管からマイナスに評価される点をカバーする他の証明書類が必要となることもありますので、本当に最善を尽くすのならば、画一的な指示はできないのです。

今回も、全く問題がないわけではなかったので、用意できない書類を他の書類に置き換える、疑問の生まれる内容をクリアにする資料を判断してお伝えしました。

 

2、内容のチェック

書類が集まってきたら、次は内容のチェックです。

私達はどうすれば許可となるかわかっているので、その許可の基準を満たしているかどうか、また、問題はないかを細かく診断していきます。

今回は配偶者の方の仕事がない状況での申請ですので、そのあたりの立証を強め、また、入管が疑義を感じると思われる内容を事前に洗い出し、対応策を考え、共有し、追加で書類をお願いしました。

お二人の出会いから交際までの経緯・交際から結婚までの経緯についても確認させていただきましたが、やはり当事者に書いていただいた文章は事実と想像と感情が入り交じり、どれが事実でそれはいつで、何が想像でどうしてそう思ったのか文章を読んでいるうちにわからなくなってきましたので、そのあたりを整理していきました。

特に、何が事実で、いつ・誰が・どうしたのかというのは大変重要なポイントです。

客観的にそのあたりを指摘させていただき、事実を整理すると、入管から見てもポイントを押さえたわかりやすい内容となり、審査も短くなるものと考えます。

 

3、まとめる

1.2.を繰り返し、最終的に書類を作成します。

一般的にこの書類作成がお仕事であると思われていますし、実際にそれで報酬をいただくのですが、私は仕事の比重として

9割事前コンサルティング・1割書類作成

くらいの比重で考えています。

書類を作るとしても、ただ出された書類で作った書類は意味があるのでしょうか。

私は書類作成前の段階が最も大切であり、結果を左右するものだと思っています。

もっと言えば、9割の事前コンサルティングがあれば自分申請しても許可となる可能性が高いということ。

情報が全てです

 

4、申請する

この後入管から質問が来ることも多いですが、今回は疑義をあらかじめクリアにしておいたのでそれもなく

5、結果の受領

上記の結果、無事に許可となりました。

お客様にも大変喜んでいただき、「よかったな」と気持ちの良い仕事が出来ました。

「また依頼します」と言われるとこの仕事をしていてよかったな..と思います。

 

 

 


答えはサイゼリヤだった

先日の記事「訪日外国人≠外国人観光客」の続きです。

疑問であった「東南アジア系外国人観光客は飲食店にいない問題」を追っていました。

お台場をぐるぐると回っていましたら、

いました。

 

彼らはサイゼリヤに。

 

お台場のファミレスといえばサイゼリヤとジョナサンです。この二つは道を挟んで向かい合わせにあるのですが、全然客層が違います。

ジョナサンは店員さんも日本人で、お客さんも日本人(子供連れの奥様)がいるイメージです。

一方、サイゼリヤは店員さんも外国人で、お客さんも外国人が目立ちます。単価もサイゼリヤの方がかなり安いですよね。

フードコートでもなく、マクドナルドでもなく、サイゼリヤ。

お台場の普通の飲食店では、ドリンクと食べ物2名で5000円弱かかりますが、サイゼリヤであれば同じ量頼んで1500円くらいです。

サイゼリヤは海外展開も成功しているとのことですので、なんだかいろいろと納得しました。強いですね。

観光客向け飲食店も2極化です。


訪日外国人≠外国人観光客

訪日外国人と外国人観光客

メディアではいつも訪日外国人が増えた、訪日外国人が急増というのですが、訪日外国人とはなんなのか?を深掘りしたいと思います。

いつも違和感を感じているんです。

皆さん訪日外国人=外国人観光客と思っていないだろうかと。

メディアは訪日外国人外国人観光客と報道してる節があると思っています。そしてなぜか訪日外国人と報道する際には欧米人の映像が流れます。

この違和感を紐解いていくと、まず、

訪日外国人といっても外国人観光客とは限らない。

なぜなら、

訪日外国人は「理由を問わず」日本に入国した方
外国人観光客とは日本へ「旅行」に来た方

であり、訪日外国人だからといって、観光客とは限らず、ビジネスでの入国もありますし、就労するための入国、留学としての入国、家族の帯同としての入国もあるので、この訪日外国人がどこまでの範囲をいっているのかが不明なのです。そして、この訪日外国人はもちろん全員が外国人観光客ではありません。

また、訪日外国人はの内訳は多すぎるので外国人観光客に絞って考えますと、観光客として日本に入国する際のビザ、正式名称「短期滞在」ひとつとっても

観光

親族訪問

商用

と入国目的が3種類のカテゴリーに分かれています。

日本にいる外国人留学生や就労の方の両親や家族である親族を日本に呼ぶ。この場合は親族訪問としての短期滞在での入国になります。

永住者に赤ちゃんが生まれて面倒を見てもらうために母国の家族を呼ぶ場合もある。これも同様。

帰化した方が母国の両親を日本に呼ぶ。これも同様。

親族訪問のバリエーションは多岐に渡ります。

これは観光客なのでしょうか。

なので、こうした親族訪問の割合や、商用での来日人数を出さなければ本当の「外国人観光客」の正確な数字はわからないと思うのです。

それを今一緒くたにして訪日外国人というからややこしい。

また、以前から言っているように日本に入国している大半は中国、韓国、台湾等からの入国です。

最近はノービザになったインドネシアが増えてきたかな?という感じですが、数は比較になりません。(彼ら難民申請したりして帰らなかったりしますし)

これらのことから、私はものすごく違和感を感じているのです。

外国人観光客と飲食店

さらに、外国人観光客と一言に言っても地域によって行動が全く違います。(街で見かける外国人観光客が短期滞在の外国人であるとは限りませんが)

身近ですごく興味深いのは、お台場の観光名所に東南アジア系外国人観光客がたくさんいたとしても、単価の高い店には入らない事。

お台場には平日・休日にかかわらずたくさんの東南アジア系外国人観光客がいらっしゃいます。
しかし、彼らはスターバックスにはいません。
ラボエムにもクアアイナにもいません。
毎日観察していますが、ひたすら外の景色と共に写真を撮って帰るのです。
街では見かけるのに店にはいない。
ベトナムやインドネシアからだと物価が全然違うので、外食するという選択肢は薄そうです。

お腹が空いたらどうするのでしょう?フードコートにいるのでしょうか。調査を続行してみます。

ちなみに、お台場のスタバにいるのは韓国、香港、欧米の方が目立ちますね。

外国人観光客と宿

そこに目をつけたのか、最近は超激安宿が増えたと感じます。

シェアハウスというか、泊まれればいい!という感じのもの。
これは賃貸物件も同じです。

観光も二極化ですね。


NO就労ビザ。資格外という決断

この夏からパッタリと留学生(日本語学校や専門学校に在籍するネパールやベトナムの方)からの就労ビザの相談がなくなりました。それに変わり、就労ビザから家族滞在ビザにしたい、就労ビザから学生ビザにしたいという相談が相次いでいます。

これは他の先生も同様のようです。これについて仮説を立てました。

就労ビザが下りないから申請しない

まずは就労ビザを申請しても許可されないから申請しないというもの。

以前他の記事にも書いていますが、今まで許可されていた「建設現場」や「飲食店」やその他サービス業を行う会社での通訳・CAD・経理等の就労案件が許可されなくなっています。

いくら書面上でビザの該当性を満たしているとしても、雇用する会社の事業内容から総合的に考えてその他の単純作業に従事する可能性が高いと判断されるものは就労ビザが許可されなくなっています。

申請後の個別追加資料指示も大量であり、企業担当者も一人の採用にかける労力を超えていると思います。そして、その結果不許可だったり。

もちろん、きちんとしたオフィスワークの就労ビザは認められています。

今まですり抜けてきた申請がたて続けに拒否されているだけですが、日本の企業としては単純作業に従事する人材が欲しいわけなので、今の就労ビザとの相性は最悪です。

資格外活動許可で十分働ける(むしろ資格外活動がいい)

就労ビザが限られた業務内容でしか働けない一方、資格外活動ならその業務の制限がほぼありません(夜のお仕事はできませんが)大きな制限として週28時間以内しか働けないのですが、単純作業もOKです。

このため、現在のコンビニ、スーパー、飲食店、工場などで働いている外国人は身分系や技能実習を除き、この資格外活動で働いています(特定活動もまだ多い)そうでなければ不法就労の可能性大。

私のよく行くコンビニもスーパーの店員さんもほぼ外国人です。中国、ネパール、スリランカの方がレジ打ち、品出しをしています。彼らは留学生か家族滞在者でしょう。

日本の企業としては単純作業に従事する人材が欲しいわけなので、資格外活動との相性はばっちり。

ただ、週28時間という制限がるので、企業側からすれば人数の確保が重要なところですが、今人数はたくさんいますのであまり大きな問題ではないと思います。

外国人側にとっても複数社で働けば制限があってないようなもの。もちろん違法ですが、こうして働いている人が野放しになっている以上、この制限はあまり大きな問題とは感じないのでしょう。


このようなことから、現在就労ビザに変更したいという相談が減り、代わりに「今の就労ビザから家族滞在ビザにすればアルバイトが出来ますか?」といった相談が相次いでいると考えています。

留学生からすれば「留学生のままの方がいい」というところでしょう。

何度も言っていますが、外国人が増えるカテゴリーは留学と技能実習なのです。


人間性が大切

仕事をする上でも、実生活においても最も大切なのは

信用・人間性

だと思います。

ごまかしたり、嘘をついたりせず、正直である事が信用に繋がると思います。

自分にやましいことがあると人は堂々と出来ません。

嘘で固めた状況にいると、ずっと自分自身で自分を苦しめる事になります。

ただ、正直者だとしてもそれが仇となり利用されてしまったり悲しい思いをする事もあると思います。

ですが、正しくあろうとする姿勢が一番大切だと実感しています。


クールジャパンと就労ビザ

過去に書いた記事(アニメ分野に高度な専門性を持つ外国人とは???)の続編です。

法務省は、9月末に「クールジャパン」に関わる分野において就労しようとする留学生等に係る 在留資格の明確化等について 」という許可事例を発表しました。

この発表を見る限り、2月ごろにニュースになった記事とはかなり違って、今までとほぼ変わらないなという印象ですが、「食」の分野、特に日本食の分野については緩和されたように感じます。

ニュースとは違い、今回の明確化はアニメ分野等で新しい基準が出来た!などではなく、今までグレーゾーンだった「研修期間」についてどう扱うかというものを明確化したものだと感じます。それともこれ以降も緩和は続くのか。

具体的な許可事例

 <アニメーション分野>

(1) 本邦の専門学校においてマンガ・アニメーション科を卒業し,専門士 の称号を付与された外国人が,コンピュータ関連サービスを業務とする 会社においてキャラクターデザイン等のゲーム開発業務に従事するもの。

(2) 本邦の専門学校においてマンガ・アニメーション科を卒業し,専門士 の称号を付与された外国人が,アニメ制作会社において,絵コンテ等の 構成や原画の作成といった主体的な創作活動に従事するもの。

(3) 本邦の専門学校においてマンガ・アニメーション科を卒業し,専門士 の称号を付与された外国人が,アニメ制作会社において,入社当初の6 月程度背景の色付け等の指導を受けながら行いつつ,その後は絵コンテ 等の構成や原画の作成といった主体的な創作活動に従事するもの。

<ファッション・デザイン分野>

(4) 本邦の専門学校においてデザイン科を卒業し,専門士の称号を付与さ れた外国人が,デザイン事務所においてデザイナーとして創作業務に従 事するもの。

(5) 大学の工学部を卒業した外国人が,自動車メーカーにおいてカーデザ イナーとして自動車デザインに係る業務に従事するもの。

(6) 本邦の専門学校においてデザイン科を卒業し,専門士の称号を付与さ れた外国人が,服飾業を営む会社においてファッションコーディネータ ーとして商品の企画販促や商品ディスプレイの考案等に従事するもの。

(7) 本邦の専門学校においてデザイン科を卒業し,専門士の称号を付与さ れた外国人が,服飾業を営む会社の海外広報業務を行う人材として採用 された後,国内の複数の実店舗で3か月間販売・接客に係る実地研修を 行い,その後本社で海外広報業務に従事するもの。

(8) 本邦の専門学校においてデザイン科を卒業し,専門士の称号を付与さ れた外国人が,服飾業を営む会社において,パタンナーとして,裁断・ 縫製等の制作過程を一部伴う創作活動に従事するもの。

<美容分野>

(9) 本邦の専門学校において美容に関する専門課程を卒業し,専門士の称 号を付与された外国人が,海外展開を予定する化粧品会社における海外 進出準備のための企画・マネジメント業務に従事するもの。

(10) 本邦の専門学校において美容に関する専門課程を卒業し,専門士の 称号を付与された外国人が,ヘアーウィッグやヘアーエクステンション 等の商品開発及び営業販売の業務に従事するもの。

<食分野>

(11) 本邦の専門学校において栄養管理学等に係る課程を卒業し,専門士 の称号を取得した外国人が,食品会社の研究開発業務に従事するもの。

(12) 本邦の専門学校において経営学に係る学科を卒業し,専門士の称号 を付与された外国人が,飲食店チェーンの海外展開業務を行う人材とし て採用された後,本社における2か月の座学を中心とした研修及び国内 の実店舗での3か月の販売・接客に係る実地研修を行い,その後本社で 海外展開業務に従事するもの。

(13) 本邦の調理師養成施設において調理師免許の取得資格を得た外国人 が,農林水産省が実施する「日本料理海外普及人材育成事業」の対象と なって,5年間調理に関する技能を要する日本料理の調理に係る業務に 従事するもの。

(14) フランス国籍を有する者がドイツにおいてイタリア料理の調理師と して10年間活動した後,我が国においてイタリア料理の調理に係る業 務に従事するもの。

不許可事例

<アニメーション分野>

(1) 本邦の専門学校においてマンガ・アニメーション科を卒業し,専門士の称号を付与された外国人が,アニメ制作会社において,主体的な創作 活動を伴わない背景画の色付け作業等の補助業務にのみ従事するもの。

<ファッション・デザイン分野>

(2) 本邦の専門学校においてデザイン科を卒業し,専門士の称号を付与さ れた外国人が,服飾業を営む会社において,主体的な創作活動を伴わな い裁断・縫製等の制作過程に従事するもの。

(3) 本邦の専門学校においてデザイン科を卒業し,専門士の称号を付与さ れた外国人が,服飾業を営む会社の店舗において専ら接客・販売業務に 従事するもの。

(4) 本邦の専門学校において主に経理を学んで卒業し,専門士の称号を付 与された外国人が,衣料品販売店において専ら販売業務に従事するもの。

<美容分野>

(5) 本邦の専門学校において美容学科を卒業し,専門士の称号を付与され た外国人が,美容師やネイリストとして業務に従事するもの。

(6) 本邦の専門学校において美容学科を卒業し,専門士の称号を付与され た外国人が,海外展開を予定する化粧品会社に雇用され,同社の海外進 出準備のための企画・マネジメント業務を行うため1年間の座学及び実 地研修を行うとして申請があったが,実際には,同社で同じ業務に就く 日本人は4か月で実地研修が終わるのに対し,当該外国人については店 舗を替えながら実地研修をするという名目で1年間に渡って販売・接客 業務をさせる計画であったことが,審査の過程で明らかになったもの。

<食分野>

(7) 本邦の専門学校において経営学に係る学科を卒業し,専門士の称号を 付与された外国人が,飲食店チェーンにおいて3年間の滞在予定で海外 展開業務を行うとして申請があったが,実際には,入社後2年間は実地 研修の名目で店舗での調理・接客業務に従事させる計画であったことが 審査の過程で明らかになったもの。

 

という感じです。

不許可事例は過去に実際に申請されたものだと思われますが、なぜこんな申請するのか… これで審査通ると思ったのかな?

今後もニュースと事実の差に注意を払っていきたいところです。


オリンピック選手と日本の帰化

そろそろ日本人の方にも気づいてほしいと思って最近踏み込んだところを書いていますが、昨日のやりすぎ都市伝説で話していた下記の件が他国事ではないので帰化について書いてみようと思います。

「中国の卓球人口は3000万人、その中で代表となれるのは男女ともに20人程度。代表になれなかった人は代表の為に他国ライバル選手を完コピして貢献する。または、他国に帰化してその国の代表となる」

前回のリオ・オリンピックでは、卓球選手の約3分の1が中国出身の選手だったそうです。

この流れは日本も他人事・他国事ではないですね。

 

帰化して日本代表となる。もう日本でもサッカー日本代表では当たり前になりつつありますね。闘莉王さんやラモス瑠偉さんも日本に帰化して日本代表となりました。(代表の為ではないですが)

日本でも猫ひろしさんがカンボジア国籍となりオリンピックを目指すことが話題になりました。

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実は日本の帰化条件はかなり緩いです。

帰化の条件はインターネット上にも公開されています。わかりやすく言うと、

 

・日本に5年以上滞在していて

 

・職を持っていて

 

・生活できる収入があり

 

・日常生活に困らない日本語能力のある

 

・法律を守って生活している人

 

という事です。

もちろん細かく分解していくとこんなに簡単ではないのですが、ざっくりいうとこのような条件を満たせばよいと。

これは、永住許可よりも緩い。最初の条件となる日本滞在年数が半分です。

永住許可は過去に記事にしたかもしれませんが、基本的に10年滞在後の申請です。(特例有)

なんで帰化だけ5年でいいんでしょうか。

永住許可よりも国籍を与える方が権利としては強いのに、審査基準は帰化の方が緩いとは・・・。

日本国籍が欲しい外国籍の方は多いのですが、一番ネックとなるのが日本語(漢字)ですが、中国の方からすれば結構余裕の審査基準ですよね。

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昨年度の帰化申請者数を見てみましょう。

平成28年度帰化申請者数11,477人。許可を受けた人9,554人。うち、中国籍からの帰化許可者数2,626人。(ちなみに韓国・朝鮮からの帰化は5,434人)

平成に入ってから中国からは101,763人が許可されています。

法務省統計:帰化許可申請者数,帰化許可者数及び帰化不許可者数の推移

この数は大幅に減ることは考えにくく、今後増え続けていくと予想されます。

実際に、私がご相談を受ける事も年々多くなっています。

 

韓国の方は永住を目指し、中国の方は帰化を目指す。

 

これが私達の業界の認識です。

韓国の方は、国籍取得に対して精神的なハードルがあったり興味が無かったりするのですが、中国の方は日本国籍取得に関して精神的な抵抗がないように感じるのです。

このような事から考えると、冒頭の「中国籍の選手が帰化して代表」というのも今後日本でも多く目にするようになるかもしれません。

まぁハーフの選手も今後どんどん出て来るでしょうから、日本国内でも世界戦のようなレベルの戦いになってくるように思います。

本格的なグローバルな時代が来ましたね。


外国人が増えることで儲かる業種は「ここ」じゃないですよ

もう聞き飽きたのですが、数年前からの「外国人が増えるから行政書士さんのビザの需要が上がりますね(儲かりますね)」。

現場を知らないとそういう思考になるのでしょうか。

私が常々ブログで書いているように、今増えているのは綺麗な申請が出来る案件ではないのです。

なので、捕まる危険を犯して案件を選ばなければ儲かるかもしれません。

私達の業界よりも、現場にいる私が思う儲かる業界は今のところ

 

・外国人の人材派遣

・技能実習生送り出し機関等

・送金会社

 

 

です。(あとは職業紹介業とか。観光系は中国系企業が台頭していますし、民泊も今の所トラブルだらけなので日本人にはあんまりおすすめしないですね。)

 

私達の仕事よりよっぽど儲かります。

私達は責任が付きまとうので、「稼ぐ、儲かる」ということにフォーカスすることが難しいのです。(結果、依頼をお断りする方が多いのです)

 

それとは違い、上のおすすめ業種はどれも利益構造はほぼ一緒で、外国人の人数が増えれば増えるほど利益が増えます。

 

人材派遣はご存じかと思うので実習生について掘り下げると、

・渡航費

・入国費用

などという日本に行くまでの間でかなりの金額がかかる(と設定)し、そのお金は日本に行ってか支払う事にして、実習生候補者も「それでいい」という契約のもと進みます。(この費用は高額なことが多い)これが利益になると。

そして、日本に入国後、例えば基本給18万+残業代だとして、そこから諸費用、寮費や管理費、さらにそこから上記の貸付金等を引くと。(そして実習生の手取りは7万円くらいになる)

実習先もきちんと日本の労働基準法を順守していますし(していないところもありますが)、契約通りには進んでいるのです。

人材派遣がその外国人の給与から利益が出るのと同様に、実習生でも同様の利益構造になっているわけです。

儲かるという点からみれば、こっちの方が私たちの業界よりはるかに儲かります。

しかし、デメリットも多い。

私のところにも実習生から

「私は月~土までフルタイムで働いてるのに何で7万円しかもらえないんですか?」

という相談が来ます。

日本にいる実習生以外の外国人(アルバイトだとしても)の給与を知って疑問に思うんですね。

しかし、そもそもそういった契約をして本人も納得して入国してきているのでこちらからは何もできないんです。(ちゃんと契約書もある)

そして、逃げると。

 

人材派遣でいえば、以前から何度も書いているように、就労ビザの偽装申請が横行しているので、当事者の外国人だけではなく、社長までも逮捕されてしまう可能性がある事(群馬で派手に偽装申請をしていた派遣会社の社長も捕まって一時騒然となりました)

外国人需要があるのはブルーカラーの仕事ですから、偽装しないと許可が出ない。

そんなリスクを取るよりも、学生等の資格外活動許可を持っている方を活用したらいいのではと思っているのですが。

欲をかかずに適法にやれば、需要のある業界だと思います。


経理業務=単純作業か?

同業者の先生方が口をそろえて「今の就労は厳しい・・・」とおっしゃっています。

でも、原因を聞く限り、それが本来の姿というか、今までがザルだっただけの話だと思っています。

具体的には「経理担当としての就労が単純作業だと判断されてビザが取れない」「CAD担当等でビザが取れなくなった」というもの。

経理担当について掘り下げると、今までは大学や専門学校で会計を専攻して卒業した方は経理担当者として就労ビザ申請というのが一般的で、就労ビザも許可されていました。

しかし、最近の東京入国管理局では判断が変わってきており、経理担当というだけでは不明確なので詳細に職務内容を質問してきています。

中でも

会計ソフトに入力する業務は単純作業であるので就労ビザは認めない

というものが先生方の間でショックな様子。

最近の会計ソフトは直観的に入力しても補正してくれるので、おっしゃるとおり単純作業と取られてもおかしくはないです。

ですが、経理業務はそれだけではありませんし、そこを切り返したり見越して申請するのがプロだと思うのです。

経理業務はそんなに単純作業ではないですし、許可されている人はいます。

今まで日本語もままならないのに経理やります!といって申請してた方が困っているだけのような気がしています。申請書だけ何とかすればいいという時代は終了したと。

そもそもの就労ビザの趣旨等を考えれば今までが異常だっただけの話。

ただ、こういった状況で困るのはちゃんとした外国人の方々。

色眼鏡で見られるところからスタートするんですから・・