もう聞き飽きたのですが、数年前からの「外国人が増えるから行政書士さんのビザの需要が上がりますね(儲かりますね)」。
現場を知らないとそういう思考になるのでしょうか。
私が常々ブログで書いているように、今増えているのは綺麗な申請が出来る案件ではないのです。
なので、捕まる危険を犯して案件を選ばなければ儲かるかもしれません。
私達の業界よりも、現場にいる私が思う儲かる業界は今のところ
・外国人の人材派遣
・技能実習生送り出し機関等
・送金会社
です。(あとは職業紹介業とか。観光系は中国系企業が台頭していますし、民泊も今の所トラブルだらけなので日本人にはあんまりおすすめしないですね。)
私達の仕事よりよっぽど儲かります。
私達は責任が付きまとうので、「稼ぐ、儲かる」ということにフォーカスすることが難しいのです。(結果、依頼をお断りする方が多いのです)
それとは違い、上のおすすめ業種はどれも利益構造はほぼ一緒で、外国人の人数が増えれば増えるほど利益が増えます。
人材派遣はご存じかと思うので実習生について掘り下げると、
・渡航費
・入国費用
などという日本に行くまでの間でかなりの金額がかかる(と設定)し、そのお金は日本に行ってか支払う事にして、実習生候補者も「それでいい」という契約のもと進みます。(この費用は高額なことが多い)これが利益になると。
そして、日本に入国後、例えば基本給18万+残業代だとして、そこから諸費用、寮費や管理費、さらにそこから上記の貸付金等を引くと。(そして実習生の手取りは7万円くらいになる)
実習先もきちんと日本の労働基準法を順守していますし(していないところもありますが)、契約通りには進んでいるのです。
人材派遣がその外国人の給与から利益が出るのと同様に、実習生でも同様の利益構造になっているわけです。
儲かるという点からみれば、こっちの方が私たちの業界よりはるかに儲かります。
しかし、デメリットも多い。
私のところにも実習生から
「私は月~土までフルタイムで働いてるのに何で7万円しかもらえないんですか?」
という相談が来ます。
日本にいる実習生以外の外国人(アルバイトだとしても)の給与を知って疑問に思うんですね。
しかし、そもそもそういった契約をして本人も納得して入国してきているのでこちらからは何もできないんです。(ちゃんと契約書もある)
そして、逃げると。
人材派遣でいえば、以前から何度も書いているように、就労ビザの偽装申請が横行しているので、当事者の外国人だけではなく、社長までも逮捕されてしまう可能性がある事(群馬で派手に偽装申請をしていた派遣会社の社長も捕まって一時騒然となりました)
外国人需要があるのはブルーカラーの仕事ですから、偽装しないと許可が出ない。
そんなリスクを取るよりも、学生等の資格外活動許可を持っている方を活用したらいいのではと思っているのですが。
欲をかかずに適法にやれば、需要のある業界だと思います。