特定技能に「運送業」追加検討

国土交通省と出入国在留管理庁は、タクシーやトラック・バスのドライバーが不足している問題を受けて、外国人労働者も働けるよう、在留資格を緩和する事を検討しています。

 

外国人ドライバーとして活動するには

タクシー業界やトラック等の運送業では、新型コロナの離職や高齢化等の影響で新たな担い手が求められる中、各業界団体が求めているのが外国人ドライバーの活用です。

現行制度では、就労資格での外国人ドライバーは、一部の例外(大卒や日本語能力試験の要件あり)を除いて認められておりません。その為、フルタイムで従事するには、基本的に「永住者」、「定住者」、「日本人の配偶者等」などの身分系在留資格が必要です。

28時間以内のアルバイト(資格外活動許可)であれば可能ですが、長時間勤務が求められる事が多い業界であるところ、留学生や家族滞在者をドライバーとして採用することは限定的ではないでしょうか。

 

運送業を特定技能に追加

現在の運送業の状況を踏まえ、国土交通省と出入国在留管理庁は、即戦力として外国人材が運送業で働けるよう在留資格「特定技能」に追加する事を検討しています。早ければ今年度中に追加が決定される予定です。

運送業界においては、既に倉庫作業等で外国人材の採用が活発であるところ、需要が多い事も納得できます。

 

外国人ドライバーのハードル

タクシー会社の一部では外国人ドライバーの採用を積極的に行っており、数十か国の外国籍ドライバーが活躍しておりますが、外国人ドライバーにとってハードルの一つが「普通二種免許」の取得です。

通常の運転免許である一種免許については、多言語での試験が可能となっているものの、タクシーなど「人を乗せて運び、運賃をもらう」旅客運送の為に必要な免許である「普通二種免許」の試験は、全て日本語で行われており、各人の日本語レベルによっては大変難しいものとなっております。

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アメリカなどでは、移民の多くがタクシードライバーとして活躍している事もあり、将来的には日本でも外国人ドライバーが増えていく可能性が高いのではないかと感じます。

永住者や日本人の配偶者といった在留資格の外国人の方は、日本生活が長い方も多く、日本企業の文化や働き方、コミュニケーションもスムーズな事が多いと考えますが、特定技能として働く外国人材は、在留資格の要件となる試験を通過しただけでは、様々な課題があるのではと感じています。