よくご相談があった方から

「自分で申請してダメだったら先生に頼みます」

とおっしゃる方がいます。

しかし、それはとても危険な考え方です。

入管に限らず、現代はすべてデータで記録を取られています。

もし、自分で申請したときに

・明らかな問題があった

・知らず知らずのうちにビザの条件に満たないことを自ら立証してしまった

・遵法性に疑義があった 等々

があった場合、次に申請したからといって上書き保存になるわけではありません。

こうした状況になった方はスタート地点がマイナスからのスタートになるわけです。

「間違ってしまいました」ということが通用すると思うでしょうか?

入管はそんなに甘くないんです。

再申請はかなり難易度も上がります。場合によっては再申請をしたところでもう絶対に不可能な場合もあります。

また、再申請したときには必ず入管側も前回不許可となった理由やデータを確認します。

具体的には、

① 留学ビザから就労ビザ「技術・人文知識・国際業務」へのビザの変更申請を申し込んだが雇用契約書の業務内容が「アシスタント業務」としか記載されておらず、業務内容に疑義があるとして不許可となった

② 日本人と結婚し、3年間日本に滞在したので永住申請をしたが、保険料の納付に延滞の記録があった為に不許可となった

①の場合、これは書類の文言を書き換えればいいという問題ではありません。総合的な判断ですが、まずはビザの条件に当てはまるような業務に従事することはもちろん、条件に合うことを検討した文言を選び、各種書類を作成する事が必要です。また、一度申請してしまっている分、審査官から「前回申請時にこういったことになっているので」という先入観や疑義が晴れず、許可されないケースが多々あります。

②の場合、遵法性に問題があります。永住申請にかかる保険料に関する条件が公開されていないため、みなさん申請の段階では資料を提出しませんが、申請後の審査で追加資料の指示などがあり、調べられます。

滞納したままはもちろんダメですし、期限内に支払うことが遵法性のある事になります。

ちなみに、役所と合意した分割納付だから・・・というのは入管的にはNGです。その支払い能力がないということを自ら立証していることになりますね。

特に永住権の遵法性は厳しく、上記のようなことが発覚すると、今後3年間は永住許可されないと思ってください。

などなどビザの審査には公に公開されていない審査基準がたくさんあります。

試しに一回出してみよう

という考えが、

愛する人と一緒に暮らせない(入国できない期間が長期にわたる。東京入管で一度の審査に係る審査期間は平均4か月。一度ダメでもう一度申請となったら最低8か月は配偶者ビザが出ないことに)

働きたいのに働けない(不許可で出国準備期間となってしまった場合、最長2か月程度就労不可能な時期が発生する・就労開始が遅くなる事で自身の合計収入が下がる、社内手続きが煩雑になる)

永住許可がもらえるはずがもらえない

などの状況を招くリスクがあるのです。

ビザ申請のプロは事前にこうしたリスクを把握し、適切なアドバイスが可能ですが、ご自身でビザの申請をする際にはしっかりと準備と確認をして申請してください。