外国人が日本でビジネスをする際、経営管理ビザが必要です。
そして、経営管理ビザを取ったらあとは大丈夫かというとそうでもありません。
経営状態によってビザの更新が出来ない事もある
経営管理ビザは通常1年単位で更新していきます。
その為、1年ごとに更新をしなければいけません。
この更新の際に重要なのが決算書。
入管は、決算書の中身をみて更新の有無を決定するのです。
以前の記事にも書きましたが、赤字だからといってビザの更新が出来ないわけではありません。(Q.黒字じゃないと経営管理ビザの更新はできませんか?)
しかし、その赤字額が大きい場合や、事業開始から3年以上経過しているのに赤字が続いている場合にはビザの更新が認められない事があります。
決算書を分析しよう
事業を継続していかなければビザの更新も認められないわけですから、ビザの更新の際、税理士さんと一緒に決算書を読み解いてお客様に現在の会社の状況をお伝えするようにしています。
例えば、
営業利益率 低
売上総利益率 高
原価率 中
という場合なら、営業利益率が低い原因を探り、経費が多くかかっているのだとしたら、経費を抑える事は可能か検討。
経費が抑えられないのであれば、売上を伸ばす事に専念してもらう等。
また、一年単位の黒字・赤字のみではなく、自己資本比率や固定比率などもチェックして、会社の状態を良い状態にするような方向性を話し合います。
資格に囚われればこのようなサービスは必要ないのでしょうが、私がお客様だったらしてほしいので税理士さんも巻き込んで実行しています。
ビザの更新が不許可になったご相談事例
入管の判断で経営管理ビザの更新が不許可になった例をご紹介します。
1、直近の赤字額が2000万円以上となっており、過去3年間の決算書を見ても事業の成長が期待できない為ビザの更新が不許可
これはあまりにも赤字額が多すぎますね。
しかし、社長さん曰く「赤字にするのは普通だ」とのことで・・・
税金面を考えてビザがもらえなくなったらそれはそれでどうなんでしょうか。。。
2、売掛金ばかりで実際の入金がない為、安定性がなくビザの更新は不許可。
親会社・子会社間で売上がたっており、その売上が売掛金として数年溜まっているというケース。
なんだか黒いものを感じますね・・・あまり言及したくはない。
売掛金があっても、全然回収できていないのは問題です。
3、売上額、支出額が少なすぎる為、安定性・継続性がなく不許可
実際のビジネスを行っていても、売上額が小さかったり支出が少ないとビザの更新が不許可となる可能性が高いです。
1年目・2年目ならまだしも、ビザの許可基準には「規模」もありますので、3年目、4年目でも状況が変わらないようならビザの視点からは大問題です。
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このように、客観的に、また、入管の視点から決算書を読み解き、改善策を探っていく事が大切だと思っております。