2017年11月、かねてから偽装難民が問題となっていた難民申請について、新たな制度が設けられました。https://www.jiji.com/jc/article?k=2017111800431

新着記事:日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25597990S8A110C1MM0000/

この制度が始まり、難民申請をすれば何とかなる!と高をくくっていた人たちが次から次へと捕まっており、入管内の収容施設では一気に収容者が増え、面会に来る人々であふれています。

 

困ったら難民申請しろ!はもう通用しない

2010年の民主党政権下において、生活困窮者に対してだけ優先的に認めていた難民申請者の就労許可を「一律」に見直しました。

これは実質的に就労ビザと同じだ—–。

そう気づいた人々が、それまでトルコ・ミャンマー・アフリカ系の方々が主流であった難民申請に参戦。

ネパール、ベトナム、フィリピンの方までが次々に難民申請を始めました。

その後、査証免除されたことでインドネシアから観光ビザで来て難民申請。

技能実習から失踪して難民申請。

留学生が学校に行かず難民申請。

ビザが不許可になったら難民申請。

何でもありでした。

以下引用します。(法務省:http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanri03_00666.html

1 難民認定申請者数 
 平成28年に我が国において難民認定申請を行った者(以下「申請者」という。)は10,901人であり,前年に比べ3,315人(約44%)増加しました (別表(1)参照)。  
  申請者の出身国籍は,79か国(無国籍を除く。)にわたっており,主な国籍は,インドネシア1,829人,ネパール1,451人,フィリピン1,412人,トルコ1,143人,ベトナム1,072人,スリランカ938人,ミャンマー650人,インド470人,カンボジア318人,パキスタン289人となっています。

推移表も。やはり一律就労可となった後の2011年(平成23年)から伸びがすごい。http://www.moj.go.jp/content/001221345.pdf

東京入国管理局の3階は座り込んで難民申請を待つ人々で溢れかえり、カオスな状況が続きました。

報道によると、申請の約6割が借金や対人トラブル等の理由から帰国できないことによる難民申請だと。

1951年の「難民の地位に関する条約」では、難民とは「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた」人々と定義されています。

借金とか対人トラブルはこれに当てはまりますかね?

ここまで本来の難民ではない人の申請が増えたのは受け付ける側にも隙があったといわざるを得ません。

ここ数年は海外からも「難民申請のビザが欲しいがどうすればいいですか?(この意味は特定活動の意味)」と相談が来るようになり、郊外の工場などでは難民申請者を主な労働力として活用している会社まで登場。

本国人ブローカーもたくさん登場しておりますのでみな口をそろえて

「何か困ったら難民申請しろ!」というのです。なめられている。

これは留学生をあっせんしているブローカーも同様。

難民申請書には申請の理由などを書かなければいけませんが、これは他の人のコピーを使い回し。

家族全員で難民申請して夫婦そろって朝から晩まで働き、
月に60万くらい稼ぐ。
そして、本国の家族に送金する。

これには同国出身の就労ビザで働く方々も
「なんで僕たちはちゃんと就労ビザ取とって働いてるのに難民してる人の方がこんなに稼ぎますか?」
と不満が噴出。

しかし、一昔前は上記制度によって難民申請から半年経つと一律就労可能でしたが、新しい運用が始まってからそれもどんどんできなくなっています。

 

ビザの更新申請後、入管に呼び出されてそのまま収容

難民申請中の在留資格である「特定活動」は半年ごとに更新可能でした。

しかし、難民申請を繰り返していた一定の方は、更新申請後、入管に呼び出され、そのまま収容される事例が相次いでいます。

ビザがもらえると思って入管に行ったら捕まった。

今後もこうした事例は増えそうです。

特にベトナム・ネパール・インドネシアの方の収容が目立っている為、チャーター機で強制送還なのではないかとみています。
今度はそれを避けるために国を相手に裁判を起こすのでしょうかね・・・

 

特定活動から就労ビザへの変更が認められなくなった

昨年から、今まで許可されていた難民申請中「特定活動」からの就労ビザが認められなくなっています。

2年前までは認められていたので、何か困ったら難民申請して時間を稼ぎ、他のビザへの変更を準備していた人が多かったものの、入管の話を聞きますと、

①難民申請中から経営・管理ビザに変更申請→許可(社長)

②その会社で働くと友達の難民申請者が就労ビザ申請 × 多数

こうした状況が相次いで起こり「そんな事の為に認めているわけではない」と大変ご立腹。

小さな理由で拒否を続けており、もはや変更は難しいのではないでしょうか。(他の地方入管ではまた違うやもしれませんが、東京では。)

ビザの審査には入管の裁量が大きく、例え一般的なビザの基準を満たしていたとしても、許可がもらえないときはもらえません。

これで難民申請者の最後の選択肢は結婚しかなくなりました・・・また荒れそう。

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難民バブルの崩壊は始まったばかり。今後もどんな状況になっていくのかリサーチしていきたいところです。