
今治市内のタオル縫製会社でベトナム人技能実習生が過酷な労働を強いられているとするNHKの番組が放送され、関係各社が対応に追われているようです。
技能実習生問題については業界内では数年前から指摘されていた問題ですが、最近ようやく一般的に認知されてきたように思います。
人の涙の上に利益を出すというのはいかがなものなのでしょうか。
ビジネスモデルの限界
報道等を見ていてびっくりするのが、今の時代にそんなことまでまだ人間がやっているのか?という事です。
未来を見据えたロボット等の開発費等<安価な人件費
というのが現在の日本なのでしょう。
そして、その安価な人件費が日本で手に入らないとなった今、外国人で対応している現状。給料を上げたり残業代をきちんと払ったら潰れてしまうというならもうそれはそのビジネスの限界なのではないのかな?と思います。そしてそもそも日本人より安く雇えるという事が間違っている認識です。
都合の良い「労働力」というものを無理やり引っ張ってきているから現在もなんとか成り立っているのですが、その代償は大きくなっていくのでは。
SNSの時代にもみ消す事は出来るのか?
今回の今治市の件も、一人の実習生から事が発覚しました。
それに、今は何かあればSNSを通じて世界中にメッセージを送る事が出来ます。今回も放送された映像から企業を特定する人々が現れ、関連各社が対応に追われています。
今年はこうしたニュースが多いですね。今までのやり方が通用しなくなっている印象。
後ろめたい事をしていたらすぐに発覚する時代。
これからは信頼>お金の時代だといわれてしばらく経たちますが、今まで何とかもみ消せた事案もこれからもっと隠せなくなると思います。
経営者は考え方を変えていかないと取り返しがつかなくなるのでは。
そして、時代に対応してビジネスのやり方も変えていかなければ顧客からの信頼も失い、衰退も早くなるのでしょう。
今回の件で、私は今治タオルについて「過酷な労働によって支えられているブランドか…」 と思ってしまい、良い印象がなくなりました。(下請けの会社であってもイメージは変わらないです。)今までタオルを買うときには今治タオルを選んでいたのに・・・残念で仕方ない。
レピュテーションリスク
きちんとしたものを適正価格で購入したい
というニーズは少なくないと思います。
なので、私自身も安価な報酬設定にせず、しっかりとお客様に満足していただけるサービスを提供するにはどのくらいが適正価格なのか常に考えています。
安価な料金であってもサービスの質が良くなかったら次はないでしょうし、高価な料金であっても画一的なマニュアル運営では満足度は高くないと思います。
また、料金設定によってお客様の層も変わってきます。
安価な料金設定ですと、実に様々なお客様(時にお客様なのかわからない方も)が来るようです。
その中の一つとして、我々の世界でも詐欺グループ等からの依頼というものもあります。
最近では架空請求業者が外国人を雇い、電話対応させ、明らかに訛りのある日本語で「私は山本です」と名乗り架空請求を行っていたり。今は外国人を詐欺に使う時代。
就労ビザどうなってるんだと思いますが・・・。何人も何人も申請してる会社には実態調査をしていただきたいと思います。
このような違法行為の片棒を担ぐ依頼は安価な料金設定のところへ流れていく事が多いです。
一時的には件数をこなせば売上は上がるかもしれません。
しかし、上記のとおり、今はなんでも明るみになっていく時代です。
そのようなビジネスは持続可能なのでしょうか。
何人もの先生が数年でいなくなっていくのを目の当たりにしてきました。
また、売上は上がっても、心がすり減っていくのではないでしょうか。
最近私もご依頼をお断りする事が以前よりも明らかに増えました。
それはイコールそういう事なのです。
昨今私達の業界には様々な目論見を持って参入してくる人々がおりますが、長年この業界に身を置くものとして、このように感じています。
結果、私は「良きお客様へ良いサービスを提供する」という地に足の着いたことを続けていきたいと感じています。